宅建試験について

1.試験概要
宅地建物取引士資格試験(以下「宅建試験」)は、宅地建物取引士になるための試験で、毎年20万人以上が申し込む大変人気のある資格試験です。
例えば、宅地や建物を売買したりする不動産業を営む場合には、国土交通大臣や都道府県知事の免許を受ける必要があります。
その免許を受けるには、宅地建物取引士の資格を持った人を、法令で決められた人数だけ事務所に配置しなければならないとされているんですね。
その宅建試験は、一般財団法人不動産適正取引推進機構が実施しています。
誰でも受験出来ることや、法律系の資格を目指す場合の手始めとして受験するのに向いていること、また、資格取得しましたら不動産会社等への就職や転職に有利であると言われているので、そういう業種で働きたい人が資格取得を目指すことなどから人気の資格となっているわけですね。
では、宅建試験の概要をみてみましょう。
受験資格 | 日本国内に居住する方であれば、年齢、学歴等に関係なく、誰でも受験できます。 |
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試験案内の 掲載・配布 |
●インターネット 6月上旬から7月下旬まで、一般財団法人不動産適正取引推進機構のホームページに掲載されます。 ●郵送 7月上旬から7月中旬まで、各都道府県ごとに指定の場所で配布されます。 |
試験日程 |
毎年1回、10月の第3日曜日の午後1時~午後3時(2時間) ただし、登録講習修了者※は、午後1時10分~午後3時(1時間50分) |
試験会場 |
原則として、現在住んでいる都道府県で受験します。 試験地についての事務は、協力機関が行います。 協力機関の一覧はこちら |
受験手数料 | 8,200円(令和6年度) |
合格発表 |
原則として、11月下旬に発表されます。 合格後の資格登録手続きについてはこちら |
2.出題形式
出題形式は、4肢択一のマークシート方式で、50問出題されます。
ただし、登録講習修了者※は、5問免除され、45問を解くことになります。
3.試験内容
試験の内容は、次のように7項目が定められています。
ただし、登録講習修了者※は(1)と(5)に関する問題が免除されます。
(1) 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。 |
(2) 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。 |
(3) 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。 |
(4) 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。 |
(5) 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。 |
(6) 宅地及び建物の価格の評定に関すること。 |
(7) 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。 |
具体的には、次のような科目が出題されます。
各科目の出題数も合わせて記しておきます。
科目 | 出題数 | |
---|---|---|
権利関係 | 民法・借地借家法・建物区分所有法・不動産登記法 | 14問 |
宅建業法 | 宅建業法・住宅瑕疵担保履行法 | 20問 |
法令上の制限 | 都市計画法・建築基準法・国土利用計画法・農地法・土地区画整理法・盛土規制法・その他の法令 | 8問 |
税・その他 | 地方税・所得税・その他の国税・不動産鑑定評価基準・地価公示法 | 3問 |
免除科目 | 独立行政法人住宅金融支援機構法・不当景品類及び不当表示防止法・統計・不動産の需給・土地・建物 | 5問 |
4.免除科目について
さっきから「登録講習修了者※」は試験問題の一部が免除されるって何回か出てきましたけど、登録講習修了者ってなんなんだ?!免除科目あるなら自分もそれになりたい!って思われたかもしれません(笑)。
そこで、登録講習修了者について説明しておきますね。
登録講習修了者とは、「登録講習」を受講して「登録講習修了試験」に合格した人のことをいいます。
「なんだ、結局別の試験を受けることになるのか・・・」
まあそうなんですけども・・・(笑)
それと、この登録講習は、宅地建物取引業に従事している人(従業者証明書を持っている人)のみ受講することができます。
なので、誰でも受講できるわけではないんですね。
それでも、宅建試験に合格する可能性を高めるために、受講できる方は受講して科目免除を目指すのも良いかもしれませんね。
なお、登録講習について詳しく知りたい方は、次の不動産適正取引推進機構のホームページをご覧ください。
登録講習について
5.合格率など
過去5年の受験者数や合格率・合格基準点は次の表の通りです。
(※令和3年度・2年度では、新型コロナ対策の特例として、年2回実施されました。)
最近の一般受験では、合格率は17%前後、合格基準点はおおよそ7割の正解、となっていますね。
宅建試験は、不動産関連の法律等の基礎を学びますが、この数字を見ると分かるように、決してテキトーな心構えでは合格できる試験ではないと言えますね。
実施年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年度 | 289,096 | 233,276 | 40,025 | 17.2% | 36点/50問 |
令和4年度 | 283,096 | 226,048 | 38,525 | 17.0% | 36点/50問 |
令和3年度 (12月試験) |
39,814 | 24,965 | 3,892 | 15.6% | 34点/50問 |
令和3年度 (10月試験) |
256,704 | 209,749 | 37,579 | 17.9% | 34点/50問 |
令和2年度 (12月試験) |
55,121 | 35,261 | 4,610 | 13.1% | 36点/50問 |
令和2年度 (10月試験) |
204,163 | 168,989 | 29,728 | 17.6% | 38点/50問 |
令和元年度 | 276,019 | 220,797 | 37,481 | 17.0% | 35点/50問 |